(レポート) CTD203: クラウドへの移行: 動画での異なる経験 #reinvent
はじめに
清水です。re:Invent2016もDay2を終え、発表されたサービスの多さにびっくりしています。そんな中ですがKeynote終了後に動画まわりのBreakout Sessionがあり聴講してきたのでレポートしたいと思います。
レポート
まずはAmazon Elastic TranscoderのシニアプロダクトマネージャーであるVivek BhatさんによるAWSにおけるビデオワークフローとその事例についてです。
マルチスクリーンにおける課題
- PC以外のスマートフォンやタブレットなどマルチデバイスでの再生数が増加
- 再生デバイスが増えると、デバイスごとの対応が必要
- Audio、Watermark、Ad、DRM、Bit Rate、Codecs、Resolutionsなど
AWSにおけるビデオワークフロー
事例: Cloudビデオバックアップサービス
個人のビデオを保存し、共有する。
- 課題
- さまざまな形式の動画をバックアップする
- 保存した動画は友達、家族と共有したい
- サーバへの負荷は時期によってさまざま
- 解決策
- Elastic Transocderは様々なデバイスで撮影した動画を処理可能
- スマートフォン、webcam、デジカメ
- Web配信用の形式で出力可能
- 時間辺り数千の処理が可能
- 応用例
- ソーシャルメディアでの動画
- デジタルメディアプラットフォーム
- 音楽配信や音声処理
- Eラーニング
- 動画広告
Elastic TransocderによるUGC(User-Generated Contents)のワークフロー
- 動画はS3にアップロード
- Elastic Transocderでトランスコード
- パイプラインを活用して、並列化や優先度付
- プリセットにより再生デバイスに適した形式の出力
- トランスコード完了後は、SNSやCloudWatchと連携、配信はCloudFrontで
事例: 2014ワールドカップ(ブラジル大会)
ライブ、VODの全世界配信
- 課題
- ブラジル国内12の開場からのライブ配信
- 3,900時間以上のライブ配信
- OTTプラットフォームで動画を準備して迅速かつ効率的に配信
- 解決策
- AWS EC2上のElemental Cloudにより、多様なストリーミングプロトコルに 対応した高品質/高画質のライブ配信を実現
- 各試合をElemental Cloudで処理、10の異なるビットレートを インターネットを介し各地域の放送局に配信
- 応用例
- 放送局
- 有料放送
- コンテンツプログラマ
- 政府、エンタープライズ
ワールドカップライブストリーミングのワークフロー
- AWS Elementalを使用する
- DRM, CMS, 広告挿入などにも対応
- 単一のサーバでリアルタイム、ファイルベースのどちらにも対応
- 世界各国の視聴者を想定したキャプションやメタデータも対応
GoPro PlusとAmazon Elastic Transcoder
続いてGoProのTheodore KimさんによるGoPro PlusでのAmazon Elastic Transcoderの事例の紹介です。
ウェアブルカメラであるGoPro、GoPro Plusを使えば撮影した動画をCloud上に保存し、そこからでもアクセス、シェアが可能。
サービスを実現するための課題
- 異なる解像度の動画のエンコード
- リアルタイムエンコード
- トランスコードのスパイクへの対応
- 多様なコーデック、ストリーミングフォーマットへの対応
- 価格/性能比を高めること
- 他のAWSサービスとの統合
AWSにした理由
- コスト効率化
- 大規模なスケーラビリティ
- リアルタイムトランスコーディング
- AWSサービス間の密な連携
- Elastic Transcoderチームとの密接なパートナーシップ
GoPro Plusのワークフロー
GoPro Plusの構成図
BBCにおける事例
引き続いてBBCのStephen GodwinさんによるBBC iPlayerでのElemental Cloudの事例の紹介です。
- BBCではインターネット経由のテレビ、ラジオ視聴サービス BBC iPlayer を開発している。
- 2012年からサービス開始。ロンドン五輪でスマホ、タブレットなど多様なデバイスへの対応。
- 2013年にはHDコンテンツの増加。
- このころからS3やElemental PaaSなどを導入して移行をすすめた
- 2014年にはライブ配信を実施、Elemental LiveとS3の利用。
- 2015年にはラジオシステムにも対応
- 2016年にはFlashをやめ、HTML5(DASH)に対応した
まとめ
最後に、Vivek Bhatさんによるまとめとして、Amazon Elastic TransocderとElemental Liveでそれぞれどのような導入がターゲットとなっているかの説明がありました。
- Amazon Elastic Transcoder
- UGC(User Generated Contents)やWeb用
- 様々なワークロードに対して最も費用効果が高い
- 素早いリリースが可能
- CXに注力できる
- コストを気にしない試行錯誤が可能
- Elemental Cloud
- プレミアムコンテンツがターゲット
- 大規模なワークロードに対して最もコスト効率的
- ワークフロー管理が可能(優先度、SLA、バージョン管理)
- DRM, ADs, CMSに対しての優れたパートナー
- リアルタイムとファイルベースの双方に対応
おわりに
Amazon Elastic TranscoderとElemental Cloudの導入事例やその構成例、それぞれのサービスを使用した場合の特徴などを知ることができました。個人的にあまりはっきりしていなかったElastic TransocderとElemntal Cloudの住み分けが聞けたのも非常に興味深かったです。
またGoProがクラウドサービスを展開していたことも初聞でした。GoPro HEROも「5」になっていたんですねー